だるまちゃんの絵本コラム~あの日を忘れないために~

7年前の3月11日・・・あなたはあの日、何をしていましたか?

前回にも予告した通り、今回はちょっと想いの詰まった重めな絵本紹介になります。

縁あって毎年、福島の原発被災地に住んでいた人たちのための仮設住宅を訪ねて、歌ったり製作したり、絵本の読み聞かせをしたりする活動に参加していますが、住民の皆さんが口をそろえておっしゃるのは、どうか震災のことを、被災した人たちのことを忘れないでほしい…ということでした。

 

一方、私の周りの小さなお子さんを持つお母さんが、まだ生まれていなかった頃のことを子どもにどうやって伝えていったらいいのか…と悩んでいる声も聞こえて来ました。

そんな時こそ絵本の出番です。

震災に絡んだ絵本って、結構あるのです。お子さんに語りながら、大人たちもずっとずっと忘れない、そんな時間を是非作ってみて下さい。

 

 

動物にも目を向けて!

「希望の牧場」
森絵都 作 吉田尚令 絵
岩崎書店

とかく人間のことだけを話題にしてしまいがちですが、動物だって被災しています。

実在する牧場のお話。「牛飼いだから」と退去命令にも牛の処分命令にも従わず、現地に残り、売ることのできない牛たちを飼い続ける牧場主。ぼくとつとした語りで、引き込まれます。

希望、絶望、でも希望!考えさせられる話です。

避難した子どもたちは・・・

「ふくしまからきた子」
松本猛・松本春野 作  松本春野 絵
岩崎書店

広島に住むだいじゅと原発事故後に広島へ引っ越してきたまやの交流を通して、原発や未来を考える絵本。「これからの日本を生きる君たちへ」と題した、子どもにもわかりやすい原発等の事柄の解説もあります。

続編の「そつぎょう ふくしまからきた子」は、まやがふくしまに一時帰宅するお話。

ラララでいっぽにほさんぽでまどをあけますよ♪

「ラーメンちゃん」
長谷川義史
絵本館

「さんぽのき」
前田たかひろ・原作     サトシン・文     真珠まりこ・絵
文溪堂

「あさになったのでまどをあけますよ」
荒井良二
偕成社

震災後、たくさんの表現者が自分たちの特技を生かして、被災地復興のために活動されていましたね。もちろん絵本作家さんたちも。

この三冊は、震災についての直接的な表現は一切ありませんが、作家さんたちが何か力になりたいとの想いで描かれた、明るく前向きな絵本になっています。

どれも言葉の響きが楽しくて、普段落ち込んでしまった時なども、読んだら元気になれる、そんな絵本たちです。

お子さんにも読んであげて下さいね

ここにあげたものは私が持っているもので、震災に絡んだ絵本の中のほんの一部です。

私が福島に訪問しているせいもあって、原発被害の絵本ばかりになってしまいましたが、検索すれば、津波の被害やその他もっともっとたくさん出て来ます。

東北の地震だけではなく、熊本や新潟や阪神や・・・地震だけではなく噴火や他にも色々な自然災害は尽きることはありません。当事者でない私たちにできることは、起こったことを忘れないこと。

だとしたら折に触れこのような絵本を自分のために、そして未来に続く子どもたちのために読んでみる。そんな些細なことでも続けていけたらと毎年思っています。

このコラムを書いた人は

だるまちゃん
普段は園、小・中学校、特別支援学校、図書館ほか公共施設で読み聞かせしています。
出店者さんやお客様のお子さんを対象に読み聞かせをすることに楽しさを感じ、2016年からは屋号を「だるま文庫」に設定。
読み聞かせと共に用意した絵本を自由に読んでもらえる移動文庫のブース作りをしています。

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